2024.07.12 旬をかざる枝もの定期便-2024.7- ver.2 アセビ(馬酔木) 馬酔木(あせび)は、その儚くも美しい花々と、一年中青々とした葉を持つ常緑低木として、庭に幻想的な雰囲気をもたらします。春には、白や淡いピンクの鐘形の花が枝から垂れ下がり、まるで古い時代の恋人たちが秘密を囁き合うような静かな美しさを演出します。これらの花は蜜が豊富で、さまざまな昆虫や蝶々を引き寄せ、秋には黒い実をつけて野鳥をも魅了するのです。庭は、この木が織りなす自然の物語に色彩を加え、どんな季節でもその存在感で人々の心に静かな余韻を残します。しかしながら、その美しさの裏には、触れる者を慎重にさせる毒性が隠れており、それはまるで美しいが遠い星のように、あまりにも手が届かない何かを感じさせるのです。この木は、ただ美しいだけでなく、その場所の生態系や文化に深く根ざした存在として、自然と調和しながら四季の移ろいを見守り続けます。 今月も「旬をかざる枝もの定期便」をご利用いただきありがとうございました。旬とかざる愉しさを皆さんと共に感じ、心豊かな暮らしを共につくっていければと考えています。来月の旬の枝ものもお楽しみに。